外国籍の方のご相談事例
<ペルー国籍の日系三世のEさんの場合>
弊社では、外国籍の方のご相談も受け付けます。
Eさんは神奈川県愛甲郡の工業団地内にお勤め先がある日系三世のペルー人です。Eさんが来日したのはEさんの親戚が3名ほど日本に働きに来ており、Eさんは奥さんと2人でこの親戚を頼って来日した、ということでした。
Eさんは、来日して3年ほどの間に男の子と女の子を授かり、家族が4人となりました。仕事も順調であり、数年して2人のお子様が日本の小学校に入学することとなったのを契機に、Eさんは日本での永住を決意し、お勤め先の近くに住宅ローンを利用してマイホームを購入しました。
そして、購入してしばらくは平穏な日々が続きました。しかしリーマンショックの影響を受け、勤務先が倒産し、Eさんは収入を失い住宅ローンを延滞することとなりました。
弊社がご相談にあずかることとなったのは、住宅ローンを融資している銀行の系列の債権回収会社からの整理の依頼によるものです。
Eさん夫妻は、10年もの間日本に住んでいるにもかかわらず、日本語を十分に話すことが出来ませんでした。それというのも、愛甲郡には多数の中南米出身の日系人が居住して周辺の工場等で働いており、また彼等が経営するお店がたくさん有るので、職場でも日常の生活でも母国語であるスペイン語やポルトガル語でほとんど不自由なく生活できる環境にあるからです。
弊社はスペイン語とポルトガル語が堪能なスタッフと提携しており、このスタッフの通訳の下に詳細に事情を聴取しました。その結果、住宅ローンの他に、複数のカード会社のキャッシングローンの延滞や、長期間にわたる高額な固定資産税、健康保険料、市民税等の税金の滞納があり、特に固定資産税等の税金については自宅不動産への差押えの登記が為されていました。
弊社はこれらの債権者と何度も協議を重ねながら情報収集を行い、すべての債権者の抵当権や差押の登記の抹消可能な売買金額を算定し、これを各債権者に提示して任意売却の同意を取り付けたうえで、販売活動を開始しました。この結果約2ヵ月後には買主が付き、予定価格での売却が完了しました。
マイホームを売却した後のEさんの希望は、子供さんが今までと同じ小学校に通える地域内に、今までと同じ位の広さの住居を賃借すること。そして、自己破産の申し立てを行うことでした。
転居先のご紹介は当社がお手伝いし、広さ70㎡の3LDKのマンションを7万円の家賃で借りることが出来、また自己破産の申請も横浜市内の弁護士事務所に、費用は月々の分割で支払うことでお願いし、その後破産管財人が選任され自己破産の手続きも完了しました。
幸いなことに、これら一連の手続きを行っている間に、Eさんは、日系二世の社長が経営する液晶テレビのディスプレーを製造している会社に就職が決まり、また、3人目のお子さんを授かり、現在ではご家族5人で幸せな生活を送っておられます。
私共も、ご家族のお誕生日やクリスマスパーティーへのご招待を頂き、南米的なパーティーに、時折参加させていただいております。