任意売却について、そのメリット等を掲載しましたが、まだまだその他にも疑問点がありますね。よくあるご質問内容を元にまとめてみました。
競売の登記がされている物件でも任意売却ができるのか
債権者の同意が得られれば、競売の申立を受けてからでも任意売却は可能です。
ただし、実務的には競売の開札期日の前日までに売買を完結しなければ、競売による手続きで売却が完了してしまいます。
任意売却の場合、その物件にはいつまで住んでいられるのか
原則として、売買代金の決済の日までは居住することができます。
ただ、この代金決済日には、家財道具等の動産類の搬出が完了した状態で引き渡すことになるので、引越しは決済日の前日までに完了しておく必要があります。
任意売却の場合、物件の引き渡し(引越し)の時期は指定できるのか
任意売却の場合、オーバーローンになっていること以外は通常の売買ですから、諸々の条件は買主との協議で進めることになります。
従って退去の時期も買主の同意が得られれば指定することができます。
抵当権の抹消は代金決済と同時に手続きが行われます。
不動産登記の専門家である司法書士という国家資格を持つ人が取引きに立会い、代金決済の現場で書類を整え、その日の内に法務局に対する所有権移転登記、抵当権抹消登記の申請が完了します。
不動産には住宅ローンの抵当権ばかりでなく、固定資産税や市民税等の差押え、その他の仮登記等が付いている状態となっているのだが、それでも任意売却は可能なのか
可能です。
税金は、税金の支払い義務が発生した日より後に設定された抵当権より優先することが法律で定められています。
また、自己破産をしても滞納した税金の支払い義務は免れないので、税金に関する差し押さえのある場合は1日も早く対応することをお勧めします。
その他の仮登記等がある場合も債権者の同意があれば任意売却は可能です。
任意売却も常に成立するわけではありません。
任意売却の場合、特にオーバーローンの場合には売却可能な金額が、債権者が希望する回収額に満たない等、債権者側の社内事情によってはこれに応じてもらえない場合があります。
また、複数の抵当権が設定されている場合の第2順位以下の債権者が、同様の理由で債務者の任意売却の要望を拒否することもあります。
任意売却を成立させるために最も重要なことは、計画段階で、対象となる不動産の価格に関する綿密な調査を行い、債権者に対し説得力ある緻密な資料の作成を行い、債務者が行なおうとしているこの任意売却が、如何に関係者全体の利益にかなう方法であるかを、条理を尽くして説明して債権者の協力を取り付けることであり、これには経験豊富な不動産業者を選択することが大変重要です。
つまり、不動産業者の選択如何によっては、せっかくの任意売却が有効な手段にならなくなってしまうわけです。
次に不動産業者の選択など任意売却を行うための注意点をまとめてみました。
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